hist003
来日していた男性との結婚を決められ母親に置き去りにされた(18歳)
ハン・ソギさん
(女性 86歳)
足跡:韓国慶尚南道(釜山の近く)→福島→川崎

〈戦時中をいま振り返ってみると〉
 町内ってあるんですよね、組になって。バケツに水汲んで、飛行機、飛んできたら、鉄砲撃ったらそれ消すんだって。リレーにして、みんな並んでそれかけたら、そういうふうにして。そして今度は竹槍ね。今考えたら、「なんであんなこと、頭いい人なんていなかったのかな」って思っちゃう。こういう棒持って、人間が飛行機から降りてくると、向こうの国の戦争の兵隊とか降りてきたら叩いて殺すんだっていって、みんな棒持たして叩いて。そういう練習さ、子供負ぶって行ったりしたんだよ。

<肉声をお聞きください>
 
 22名の語り手の方々のことばです:
炭鉱労働の傷あと
夫がハンサムだから苦労が目に見えてた
戦争中、子供を連れて逃げた
解放後、浮いたまんまになった
みそ・しょうゆ作り
字が読めないから人を信じなきゃ仕方ない
九州に徴用された夫について来日
川崎より住みやすいところはない
募集に応じて日本へ
歌うどころじゃなかった
親同士で結婚を決められちゃって泣いたよ〜
年がいって、韓国人が恋しくなる
徴用されないよう、十四歳で結婚した
嫁に来たとき、言葉もわかんないし、何も知らなかった
いま考えれば人間じゃなかった
赤紙が来た
植民地になったのを、忘れはしないけど許すことはできる
日本の戦争、朝鮮動乱。私は本当、戦争犠牲者。
泣いたよ、イルボン行くときは
日本にあこがれていた
キムチは買ったことがない
朝鮮人を犯人扱いするとは何ごとか!