川崎在日コリアン生活文化資料館

<設立趣旨>
 
 私たちの街は、川崎南部、在日コリアンの関東における集住地として、生活者の文化、情報の互助的機能をはたしてきた街です。就職や住宅、結婚、金融、教育などの生活の根幹の部分で、在日コリアンを巡る厳しい差別の中、同胞同士の支えあいの場を提供してきた街です。そして、近年、ふれあい館を中心に、反差別、人権の自覚的市民の活動が育ち、「共生の街」へと歩みを進めてきています。集住地域として、様々な民衆同士の交流があり、また、軋轢がありました。戦争中のみならず、戦後も、無知による誤解や偏見があり、在日コリアンと日本人住民の民衆同士が、離反せざるを得ないような地域の生活史を刻んできたことも事実としてあります。私たちは、新しい共生の時代を生きる市民として、同じ時代と場所を生きてきたもの同士が、事実としての生活史を共有する作業が求められていると思います。そのための「活動、交流の場としての生活文化資料館」をバーチャル空間で作り出し、情報発信と共有を図りたいと考えています。
 運営の方針として、在日高齢者を囲み、多くの日本人市民と共に、「世代と民族をつなぐ学習、交流プログラム」を実践し、学習内容を情報発信します。そして、3つの課題を担っていきます。
@ 世代を越えた多くの市民に、差別の醜さ、戦争の悲惨さを学習する場を提供し、人間が大切にされる市民社会の一員として自己確立することに寄与する。
A 在日コリアン3世4世の世代が、在日コリアンとしてのアイデンティティを確立できる場と機会を提供する。
B 在日コリアン高齢者が、「辛かったけれどかけがえのないわが人生」を尊重し共感関係を広く結び作ることにより、「自己回復」を図ります。

 そして、この歩みが、「共に生きる地域社会の創造」に寄与することを願ってやみません。
 
 
 


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